議会報告

「令和4年度北区一般会計予算案並びに三特別会計予算案」についての賛成討論、及び、共産党提出の「予算組み替え動議」に対する反対討論

3月23日(木)

くまき貞一議員

くまき貞一
討論 全文

公明党議員団を代表して、令和4年度北区一般会計予算案並びに三特別会計予算案について賛成の立場から討論します。
政府の経済見通しでは、令和4年度は消費回復や堅調な設備投資に牽引される形で、民需主導の自律的な成長が期待されており、特別区交付金の原資となる調整税等の収入も大きく伸びる見込みとなっています。一方で供給面での制約や原材料価格の動向による下振れのほか、新たな変異株の出現やウクライナ情勢による内外経済への影響等が懸念されています。
北区では、海外経済の回復などを背景とした企業業績の改善などにより、特別区税、特別区交付金など一般財源の大幅な伸びを見込んでいますが、少子高齢化や施設の更新需要への対応のほか、防災・減災対策、新庁舎建設、児童相談所設置、本格化する駅周辺まちづくりや学校改築、さらに多様性社会の推進や北区ゼロカーボンシティ宣言を踏まえた取り組みなど、様々な行政需要への対応が求められています。
令和4年度の予算編成は、区民福祉や区民サービスの向上に寄与する事業を中心に、新規事業の構築やレベルアップを図り、あわせて適切な基金の運用、将来負担を考慮した特別区債の発行などにより必要な財源確保に取り組むなどコロナを克服して未来へ飛躍するために積極的な予算として編成されたものと考えています。

特に、これまで予算要望や本会議での質問で公明党議員団が求めてまいりました地震・風水害対策、ひきこもり対策、北区パートナーシップ宣誓制度、液体ミルクの災害用備蓄、女性のためのLINE相談、学童クラブ・保育園の定員拡大などが計上されており、高く評価したいと思います。
北区にとって今後計画された学校改築・施設建設など区民との約束を守るために将来に向けた着実な基金の積み立てを行うことは大変に重要であると考えます。
今回の予算特別委員会で申し上げました以下の課題、要望につきまして、実現に向けて努力を求めます。

  1. 更なるマイナンバーカードの普及と北区DX推進を図ること
  2. 今後の新型コロナウイルス感染状況に対応できるように保健所の更なる機能強化を図ること
  3. 成果連動型民間委託契約方式(PFS)を導入すること
  4. 長生きするなら北区が一番の更なる推進のため高齢者見守りキーホルダー事業、認知症賠償保険に取り組むこと
  5. 帯状疱疹ワクチン接種の助成、子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種の勧奨を図ること
  6. 大規模水害時、高齢者などの要配慮者のバス・タクシー等活用した避難支援を早急に構築すること
  7. 教育環境をより良いものとするため教員の区独自採用を検討すること
  8. 不登校の児童・生徒への新たな支援の構築を図ること

以上を改めて要望し、令和4年度北区一般会計予算案並びに三特別会計予算案に賛成致します。

次に、「第28号議案 令和4年度東京都北区一般会計予算」の組み替えを求める動議に反対する立場から討論します。
それでは、予算組み替え動議について反対の理由を述べていきます。

第一に、本当に予算組み替え動議が必要なのかということです。予算を部分的に修正するには予算修正動議であり、議会に提出している予算案を撤回し、作り直した上で改めて議会に提出しなければならないのが予算組み替え動議です。令和4年度の予算案は、区民の健康、生命を守り抜くためコロナ対策に重点配分し、子育て支援や地域福祉の充実、さらに生活困窮者対策のほか様々な区民サービスの向上に資する取組みにも財源を配分していると考えます。また、区内中小事業者への支援では、マル経融資の利子補給の補助を開始し、さらに、ゼロカーボン、多様性社会の推進や行政のデジタル化への取組みなど将来を見据えた施策展開を進める内容としており、予算組み替えの必要はないと考えます。

第二に、基金残高確保の必要性についてです。財政調整基金は、令和4年度末には135億円に減少する見込みとなっており、今後の予算編成において財源不足が生じた場合に機敏に対応するために活用するものであり、他区と比べても現在の残高では十分とは考えていません。将来への備え、大規模災害への備えとして、さらなる基金残高の確保が不可欠であり、コロナ感染状況や海外経済の動向、さらにエネルギー価格の高騰や資源高に加え、ウクライナ危機により世界経済の不透明感が増しており、令和4年度に見込んだ一般財源歳入の下振れリスクも潜んでいます。よってこれ以上財政調整基金を取り崩すことを認めることは出来ません。
また特定目的基金は、多額の経費を要する計画事業実現のため、計画的な積立てが不可欠であり、まちづくり基金は十条駅周辺のみならず、今後王子駅や赤羽駅など財政負担が伴い、さらには駅周辺まちづくり以外にも本来のインフラ整備への活用も想定しており、中長期的に歳入・歳出のバランスが崩れる可能性を鑑み、歳入環境が良好な時期に積立てをしておく必要があると考えます。

最後に予算特別委員会の質疑にありました日本共産党都議の名前入りの「まもろう!駒込病院」というポスターについて触れておきます。このポスターには小さく「独法化NO」と書いてありますが、不思議なことにお隣の埼玉県では、日本共産党は昨年4月からの県立4病院の独法化に賛成し、推進しています。公立病院独法化を埼玉では進め、東京では手厳しく批判する、この矛盾した態度をどう説明するのでしょうか。埼玉県議会の共産党は、県立病院の独法化について前知事時代には反対していましたが、2019年に共産党が支援した知事が当選すると態度を一変し、県立4病院の地方独立行政法人化関連議案に賛成しました。

一方、東京都では独法化をすれば、都立・公社病院の医療が後退し患者負担が明らかと決めつけ区民の不安をあおっています。結局、共産党が支援した埼玉県知事が進める独法化はOKであり、支援していない東京都知事が進める独法化は何が何でもダメということなのでしょうか。こうしたご都合主義極まりない態度を見ていると、都立・公社病院の独法化中止の主張も党勢拡大のために利用しているものと考えます。意見を主張するのは、自由ですが、区民を惑わし、不安をあおるようなポスターを掲示するのは公党としていかがなものかと主張しておきます。予算組み替え動議もまた、以前北区当局に否定された日本共産党ポスターに「四回の予算組み替え提案で実現しました」とありましたが、同じく党勢拡大のアピールをするためのものと断じざるをえません。

以上のことから「第28号議案令和4年度東京都北区一般会計予算」の組み替えを求める動議に反対を表明します。
以上で公明党議員団を代表しての討論を終わります。

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